ブル型・ベア型の投資信託は買ってもいいのか

投資信託やETFの中でブル・ベア型という言葉を聞いたことがありますか
ネット証券を見ていても常に販売ランキングに上がって来ています
今日はブル型・ベア型の投資信託とは、またこの投資信託は買うべきかどうか解説していきます

ブル型　ベア型とは

ブル（BULL：雄牛）は、雄牛が角を下から上に突き上げて攻撃する姿から強気・上昇の象徴とされ、反対にベア（BEAR：熊）は、熊が腕を上から下に振り下ろして攻撃する姿から弱気・下落の象徴とされています。

投資信託では、ブル型、ベア型の商品が販売されていて、ブル型は相場が上昇しているとき、ベア型は相場が下落しているときに利益が出るように設計された商品となっています。

では具体的にどうなれば、利益がでるのでしょうか

ベンチマーク（日経平均・トピックス）に連動する投資信託

例　日経平均　３％　上昇すると
ブル型　　３％　上昇
ベア型　　３％　下落

日経平均と同じように動くのがブル型　逆に動くのがベア型となります。

他にダブルブル　ダブルベアなどがあり、これはベンチマークが上昇すると
ブル型・・2倍上昇、ベア型・・2倍下落します。

例　日経平均　３％　上昇すると
　　ブル型　　６％　上昇
　　ベア型　　６％　下落  します。

注意点

長期では倍率通りになりません

例えば日経平均に連動する2倍のブル型投資信託を買ったとします。

日経平均が１０％上がったので２倍なら２０％上がっているかというとそうはなりません。

下の表を見てください

日経平均
１日目：５％値上がりしました。　　　　　　　
価格は１００×１.０５＝１０５.０

２日目：１０％値下がりしました。　　　　　　
価格は１０５×０.９０＝９４.５０

３日目：５.８２％値上がりました。　　　　　　
価格は９４.５×１.０５８２＝１００

3日目に１００円に戻りました。騰落率は０％です

ブル２倍の投資信託

１日目：１０％値上がりしました。
価格は１００×１.１０＝１１０

２日目：２０％値下がりしました。
価格は１１０×０.８０＝８８.０   

３日目：１１.６４％値上がりました。
価格は８８.０×１.１１６４＝９８.２４

日経平均が１００円に戻ったのに対して

ブル２倍は１００円でスタートしましたが、３日目は９８.２４でー１.７６%の騰落率となっています。

この投信は日々の価格に対して2倍動くので、１年後のトータル運用益が２倍になるわけではありません。

この事をよく理解してください。

代表的な銘柄

楽天日本株4.3倍ブル

ファンド特色

株価指数先物取引を活用し、日々の基準価額の値動きが、わが国の株式市場全体の日々の値動き（日々の騰落率）の概ね4.3倍程度となることを目指して運用を行います。

ご覧の表のように株価がずっと上昇し続けたり、下落し続ける時は運用益が期待できますが、BOX相場の時は１０日目には４６.９となり、資産が半分になった事になります。
大きな値上がり益を追求する分、大きな値下がりもある典型的なハイリスクかつハイリターンのファンドです。

ここでブル・ベアのメリット・デメリットを上げてみました。

メリット

• 資金効率がよい　少しの資金で値上がりすれば２倍、３倍になり大きくもうけるチャンスがあります。
• 信用や先物取引のように投資額以上の損失はない。
  

デメリット

• 指数が思惑とは反対方向に連続して動いた場合は、反対方向にいくほど損失は大きくなります。この点が、レバレッジ投資を行うブル・ベア投信の最大のリスクですので、ボックス相場には向きません。
• 手数料が高い。他の投信に比べると信託報酬が高めの設定になっています。
• 分配金に期待できない。分配金は２，3倍にはならない

また特徴として

ブル・ベア投信は償還期間が短いものが多く平均５．６年となっており、積み立てや長期投資には向きません。

投信銘柄	SBI 日本株4.3ブル	ＳＢＩ－ＳＢＩ　 日本株３．８ベア	楽天日本株4.3倍ブル
販売手数料	2.2％（税抜：2.0％） 無料のところも有	2.2％（税抜：2.0％） 無料のところも有	3.3％（税抜3％） 無料のところも有
信託報酬	年0.968％（税込）	0.913%(税込）	1.243%(税込）
設定日	2017/12/19	2020/03/17	2015.10.07
償還日	2021/12/06	2023/03/16	2022.06.14

まとめ

ランキングには載っていますが、ブル・ベア投資はレバレッジ投資です。

変動も大きく、値動きがある時は利益も大きくなりますが逆に損失が拡大する恐れもあります。

初心者には仕組みとリスクがわかっていないと難しいのでおすすめしません。

ブル・ベア投信は投資経験が豊富な投資家向けの投資手法となります。

このことを踏まえてブル・ベア投信の運用を行ってください。