リアル半沢直樹　大戸屋VSコロワイド　ホワイトナイトはあらわれる？！

９月８日コロワイド<7616.T>は公開買い付け（ＴＯＢ）を実施していた大戸屋ホールディングス<2705.T>株の所有割合が、すでに保有している分と合わせて４７％程度となる見込みだと発表しました。コロワイドがＴＯＢ成立条件としていた４０％を上回りました。
株価：２,８１０円

追加ニュース　２０２０．８．２５

コロワイド<7616.T>は２５日、この日が期限だった大戸屋ホールディングス（ＨＤ）<2705.T>株への公開買い付け（ＴＯＢ）を９月８日まで延長すると発表しました。買い付け予定数の下限も１８７万２３９２株（２５．８４％）から１５１万０１３８株（２０．８４％）に引き下げました。

ドラマ半沢直樹がやっと始まりました私も楽しみにしていたのですが、コロナの影響でかなり遅れていました。
皆さんはご覧になりましたか

今回はその話の中に出てくるTOB（株式公開買い付け）について今、実際に世間の話題になっている企業を例に解説していきます。

資産形成の1つとして株を売買する方法があります
通常は証券会社から注文して株を売買します。その時間が決められています。

通常の株式市場の取引時間は
東証なら平日の9：00～11：30と12：30～15：00です。
※東証以外の市場（名証/札証/福証）は15:30まで開いています。

これ以外に時間外取引（PTS)があります。

PTSとは

ドラマの中で

半沢直樹は出向先の東京セントラル証券（証券会社）で、電脳雑技集団のスパイラルの（企業）買収案件を担当する予定でした。

ところが電脳は東京セントラル証券を通さず法的規制のギリギリ、30％のスパイラル株を時間外に一気に取得しました。（時間外取引）

スパイラル買収までには、あと20％以上の株式取得が必要ということです。電脳は、TOB(株式公開買い付け)で目指すと発表していました。

TOB（株式公開買付）とは

相手企業を買収したい企業や関連会社・子会社への支配権を高めたい企業が、対象企業の株式を市場外で買い集める手法のことです。

企業（株式会社）は、株で構成されているのですが、その株を過半数以上買い取ることで、その会社の支配権を得たり、子会社にできます。

企業買収には2種類あります

友好的買収・・・同意や賛成を得て買収を行うこと、日本国内で行われるTOBのほとんどは友好的TOBです。

敵対的買収・・・同意を得ずに買収を行うこと、敵対的TOBでは多くの場合、被買収企業は敵対企業に対して買収防衛策をとります。

TOBは、市場で株式を買い集めるよりも、一定の資金で多くの株式を集めやすい方法ですが、法令で定められた規則に従って行う必要があります。

日本では、企業同士の※株式持合い解消が増えたことや、日本特有の企業体質によって割安な企業が存在したことで、外資系投資ファンドなどからの敵対的TOBが一時期増加したことがありました。

※株式持合い解消とは会社同士が任意でお互いの株式を購入している状態。この株式を売却し持ち合いとなっていた関係性を解消することを、株式持ち合い解消といいます。

実はドラマの世界ではなく、今現実にTOBが行われている企業があります。

コロワイドと大戸屋HDです。

【手作り　VS　セントラルキッチン】

 2020年7月9日に、『牛角』などを運営するコロワイド（7616）が、定食チェーンの大戸屋HD（2705）を1株あたり3,081円で公開買付をおこなうと発表しました。
（8日終値：2,113円）
現在１９％の保有比率を５割程度引き上げて子会社化すると報じました。

【株主】   [単]24,313名<20.3>万株
コロワイド138(19.1)
タニコー13 (1.7)
三菱UFJ信託銀行12 (1.6)
りそな銀行10 (1.3)
東京海上日動火災10 (1.3)自社従業員持株会7 (1.0)第一生命保険5 (0.6)日本アクセス5 (0.6)アークランドSHD4 (0.6)湯浅ふさ子4 (0.6)

コロワイド（7616）HP→https://www.colowide.co.jp/
大戸屋HD（2705）HP→https://www.ootoya.jp/

株価とチャート

７月２２日現在の大戸屋HDの株価は２,９５４円
８月２５日：２,５００円

店内手作り調理を売りにしてきた大戸屋に対して、コロワイド側は経営改善の策としてセントラルキッチンの導入を求めています。両社は経営方針を巡って対立しています。　　

大戸屋ＨＤでは同日９日の取引終了後、「公開買付けの公表は、当社に対して何ら事前の連絡もなく、一方的かつ突然に行われたものだ」とコメントしています。
敵対的ＴＯＢとなり、ＴＯＢ価格の引き上げに対する思惑が働いているようです。

その後

大戸屋HDは7月20日に大株主コロワイドによる子会社化に大江戸の未来はないとし、コロワイドによるTOBに反対することを表明しました。防衛策としてホワイトナイトとなる企業が出てくる可能性もありそうです。

大戸屋、TOB反対を正式表明　コロワイド、敵対的買収に - 日本経済新聞

定食店「大戸屋」を展開する大戸屋ホールディングス（HD）は20日、外食大手のコロワイドによるTOB（株式公開買い付け）に反対することを正式表明した。同日開いた臨時取締役会で決議した。窪田健一社長は「TOBは高圧的で、経営に著しい損害を生じる...

www.nikkei.com

企業がTOBを行う理由には、主に以下の目的があります。

• 経営の実権を握るため
• 自社株を買い集めるため

①経営の実権を握るため
持ち株比率が3分の1を超える→関連会社となります。
持ち株比率が2分の1を超える→相手企業は子会社となります。
持ち株比率が3分の2を超える→企業経営の根本に関わる重要な決定を行うことができます。
持ち株比率が100%になる→相手企業は完全子会社となり、すべての決定権を得ることができます

②自社株を買い集めるため
TOBは他社の経営権を得る目的だけでなく、自社株を集める目的にも用いられます。自社を上場廃止にするため、他社からの買収を防ぐため、1株あたりの価値を高めるため、などさまざまです。

【TOBのメリット】

買収側

・対象企業の株式をまとめて手にいれられる。
決められた期間に、決めた価格で、決められた枚数を買い取れるので、手間も少なく、スケジュールが組めます。また株価の変動に惑わされることがありません。
・キャンセルできます。
あらかじめ設定した株式を集められなかった場合、TOBをキャンセルして株式の返却が可能です。

売却側

・大きなリターンを得やすい
TOBでは、参考とする期日の株価に、2割から5割程度のプレミア価格を乗せて募集します。そのため、被買収企業の株主は、直近の相場よりも高く株式を売却できますす。
・株価の変動に惑わされない

【TOBのデメリット】

買収側

• 抵抗勢力により損な取引をされる可能性がある
• 買い付けを公開する必要がある

売却側

• 売却後に損をしていることがある

敵対的TOBの場合、被買収企業は買収防衛策として、さまざまな施策を行います。同じくTOBを行う相手がいた場合は、TOB価格の吊り上げ合戦になることもあります。
コロワイドのTOBは７月１０日から８月２５日まで行われる予定です。

ホワイトナイト

ホワイトナイトとは、敵対的買収に対して友好的な買収企業に助けてもらう防衛策を意味します。
敵対相手よりも高いTOB価格で株式を買い取る方法や、被買収企業の第三者割当増資を買う方法があります。

ホワイトナイトが成功するとTOBは失敗してしまいます。

特 徴

ホワイトナイト企業は、被買収企業株式を割高で手に入れることになるリスクがあります。また、被買収企業も売却先が変わるだけで、独立性は失われます。

買収防衛策の中には、被買収企業自身もデメリットを背負う防衛策もあります。そのため、買収防衛策が成功したとしても株価が下がり、売り方によっては株主が損をする場合があるのです。
また、買収防衛策が株主保護の観点から不当と判断された場合は、差し止めを受けて防衛策を行うことができません。

TOB（株式公開買付）による株価の影響

一時的に株価が上昇するケースが大半です。

TOBが友好的だった場合、買収企業にも被買収企業にもメリットが大きい買収と判断されれば株価は上昇します。メリットが不明確な場合でも、多くの場合TOB価格に合わせて一時的に株価が上昇するケースが大半です。

敵対的TOBの場合も、買収企業の目的が事業目的ではなく投資目的の買収だったとしても、買収理由に合理性がある場合は株価が上昇します。
ただし、被買収企業の買収拒否理由や防衛策が株主利益を無視した内容だった場合、株価が下落することもあります。

大戸屋とコロワイドはどうなるのでしょうか
今後の動向を見守っていきたいです。

ドラマ半沢直樹と大戸屋にホワイトナイトが現れるのでしょうか

今回はリアル半沢直樹として、大戸屋とコロワイドのTOBについて紹介しましたが私達
が株を売買する時には、企業が今回のような騒動に合うと、株価が上下変動します。

時には、大儲けすることもありますが、反対に暴落もあります。皆さんも、株を売買す
るときには、情報を収集し、また計画的な株の購入を心がけてください。

日曜劇場『半沢直樹』｜TBSテレビ

TBSテレビ：日曜劇場『半沢直樹』の公式サイトです。

www.tbs.co.jp

ニュース：　ホワイトナイト現れる？！

8月14日に
生鮮宅配のオイシックス・ラ・大地と業務提携すると発表がありました。
大戸屋の関係者によると、コロワイドのTOBが成立しなかった場合、オイシックスと将来の資本提携に向けた協議を始める方向で検討するとの事です。
オイシックス・ラ・大地は安全に配慮した青果物をネット販売しており、大戸屋とオイシックスは共同で開発した冷凍総菜・弁当やミールキットを自宅に届けるサブスクリプション型サービスを立ち上げ、大戸屋が料理の製法や材料をオイシックスに提供し、製造や配送を委託する。大戸屋の店舗で提供する料理にオイシックスが扱っている食材を使うことも検討し
今後は流通額約30億円規模の事業への成長を目指し、オイシックスの定期宅配を利用のお客様や大戸屋の店舗を利用しているお客様が求めるニーズを実現していくサービスを構築していきます。